栄養の基本がわかると食の選び方が変わる #栄養士のレシピ

栄養の基本がわかると食の選び方が変わる #栄養士のレシピ

管理栄養士で雑穀ご飯と具沢山みそ汁で腸からきれいにする活動をしている神田由佳です。私は、2万人の方々の食事アドバイスをしてきました。

健康や美容への興味が高まっており、栄養面を意識される方が増えてきています。
今回は基本となる「栄養素」についてお伝えします。そして栄養素がとれるレシピをご紹介していきます。

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栄養と栄養素

まずは、「栄養素」と「栄養」の言葉の定義からご説明しましょう。

栄養とは

栄養とは体外から摂取した物質を、体内で消化・吸収し、代謝することで、私たちの生命を維持し、成長に働きかけることを言います。
栄養たっぷり、などと言うのでこの説明ではピンと来ないかもしれませんが、厳密にはそういう定義の言葉なのです。

栄養素とは

栄養の原料が栄養素です。
栄養素には炭水化物、たんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラルの5種類があり、各栄養素は3つの役割に分類されます。

・エネルギー源となる栄養素:炭水化物、たんぱく質、脂質
・体の構成(筋肉、血液、髪など)となる栄養素:たんぱく質、脂質、ミネラル
・体の調整をする栄養素:ビタミン、ミネラル

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各栄養素の働き

各栄養素の働きについて、みていきましょう。

炭水化物

炭水化物
(画像出典)PIXTA

炭水化物は糖質と食物繊維の総称です。
糖質とは最もエネルギー源になりやすい栄養素です。特に脳に必要なエネルギー源として重要です。糖が不足すると、筋肉や脂肪を分解しエネルギーとして使われます。糖質をエネルギーに変えるにはビタミンB1が必要です。

食物繊維は糖質と異なり、消化酵素で分解されない成分です。食物繊維は穀物をはじめ、野菜、きのこ、海藻類、芋類、果物に含まれています。食物繊維の多い食品は、噛む回数が増えるため、満腹感が得られます。また大腸でカサが増えることで、便秘対策にもなります。
体内の余分なコレステロールの排泄や血糖の上昇を緩やかにする働きもあるため、生活習慣病の予防には欠かせない成分として注目されています。

たんぱく質

たんぱく質
(画像出典)PIXTA

たんぱく質は筋肉や血液、ホルモン、酵素、免疫細胞など体の構成成分です。たんぱく質はアミノ酸が多数結合したものです。アミノ酸が体内で合成できるものを、非必須アミノ酸、体内で合成できないアミノ酸を必須アミノ酸と言います。
必須アミノ酸が1つでも少ないと、たんぱく質の栄養価が下がってしまいます。食品の栄養価を評価する指標のことを「アミノ酸評価」と言います。
肉や魚、卵、乳製品は必須アミノ酸がすべて含まれているのでアミノ酸評価が100となり、良質のたんぱく質です。また必須アミノ酸の1つであるリジンが穀類は少ないです。そのため米は65、小麦は37です。アミノ酸評価が低い米や小麦は、肉や魚と組み合わせることで、アミノ酸評価を上げることができます。

脂質

脂質
(画像出典)PIXTA

脂質はエネルギー源の他、細胞膜や生理作用を保つ働きがあります。脂質を構成する脂肪酸は構造上の違いで、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸とに分類されます。脂肪酸の種類により、体への生理作用も異なります。脂質によってビタミンの吸収も助けられます。そのため脂質不足は肌乾燥を招きます。ただし過剰摂取は内臓脂肪を増やし、生活習慣病を引き起こします。

ビタミン

ビタミン
(画像出典)PIXTA

ビタミンは脂溶性ビタミンと水溶性ビタミンの2つのタイプに分類されます。
ビタミンは炭水化物、たんぱく質、脂質のように、エネルギー源としての働きはありません。しかしビタミンにより、これらの栄養素がエネルギー源として働きます。そのほか、体の機能の調節をします。

脂溶性ビタミン

油と一緒に使うと、吸収率が上がります。
・ビタミンA:粘膜の保護や成長促進
・ビタミンD:カルシウムの吸収・骨形成の促進
・ビタミンK:血液凝固に必須
・ビタミンE:抗酸化作用

水溶性ビタミン

1度に多量に摂取しても、尿から排泄されるので、毎日こまめに取り入れていきます。
・ビタミンB1:糖質の代謝
・ビタミンB2:脂質の代謝
・ビタミンB6:たんぱく質の代謝
・ビタミンC:抗酸化作用

ミネラル

ミネラル
(画像出典)PIXTA

ミネラルは微量ですが、体の構成や機能を調節するのに必要な栄養素です。体の中で作られない栄養素のため、食品から毎日とり続けていくことが大切です。

  • 鉄:鉄不足は鉄欠乏性貧血の原因
  • 亜鉛:不足すると味覚障害
  • マグネシウム:生活習慣病の予防
  • カルシウム:骨や歯を材料

日本人の食事摂取基準2020年

私たちが1日に必要とする栄養素はどれくらいかご存知ですか?
健康増進法に基づき5年ごとに、国民の健康保持・増進を図るうえで摂取することが望ましいエネルギー及び栄養素の量の基準を厚生労働大臣が定めるものです。

詳しくは下記のリンクを見ていただくとして、男女とも

たんぱく質:脂質:炭水化物=2:2:6

くらいの割合で摂りましょう。これは重量比ですが、実際にお食事に当てはめると、ご飯とおかず(お味噌汁含む)を6:4にすると、たんぱく質:脂質:炭水化物を2:2:6です。年齢を追うごとにたんぱく質の比率を増やすよう意識してください

参考:厚生労働省
日本人の食事摂取基準
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_08517.html
エネルギー産生栄養素バランス
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586560.pdf

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簡単にバランスがとれる春の献立

では、以上のような栄養バランスが自然に整う春のレシピをご紹介しましょう。

主菜 油揚げの袋煮

油揚げの袋煮

材料(2人分)

材料
めんつゆ
  • 油揚げ 2枚
  • 豚ひき肉 80g
  • れんこん 40g
  • ニンジン 1/4本(20g)
  • ひじき(乾燥) 小さじ2
  • スナップえんどう 2枚
  • めんつゆ 大さじ3
  • 水 1/2カップ

手順

油揚げに熱湯をかけ、油抜きをする。ペーパーで水気をとり、半分に切る。

油揚げ

ひじきをぬるま湯で戻し、水気を切る。

れんこんとニンジンは皮つきのままみじん切りにする。

ボールに豚ひき肉、れんこん、ニンジン、ひじきを加え、よく混ぜ合わせる。

具材のみじん切り

油揚げに4の具材を詰める

具材を詰める

楊枝で口を止め、フライパンで両面を焼き色がつくまで焼く。

焼く

めんつゆと水を加え、中火で煮る。

煮る

1〜2分したら弱火にし、さらに5分くらい煮る。

スナップエンドウの筋をとり、茹でる。粗熱が取れたら斜めに切る。

10が煮えたらお皿に盛り付け、スナップエンドウを添える。

副菜 菜の花のしらす和え

菜の花のしらす和え

材料(2人分)

材料
  • 菜の花 60g
  • しらす 15g
  • しょう油 小さじ2

手順

菜の花を3等分に切る。

菜の花カット

沸騰した湯に塩を入れ、菜の花の軸から茹でる。10秒くらいしてから、真ん中、穂先の順に入れさっと茹でる。ざるにあけ、粗熱をとる。

菜の花の水気を切り、ボールに入れしょう油で和える。

盛り付け

お皿に盛り付け、しらすをのせる。

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