管理栄養士で雑穀ご飯と具沢山みそ汁で腸からきれいにする活動をしている神田由佳です。
私は、2万人の方々の食事アドバイスをしてきました。
健康や美容への興味が高まっており、栄養面を意識される方が増えてきています。
今回は私たちの体の機能を調整する「ビタミンA」についてお伝えします。そしてビタミンAが摂れるレシピをご紹介していきます。
目次
ビタミンAとは?

ビタミンAは化学名をレチノールともいいます。脂溶性ビタミンの一種で、脂質に溶けやすく肝臓に蓄積されやすいです。加熱にも強いため、調理による損失も少ないです。
視覚機能の改善、成長促進、皮膚や粘膜の強化、免疫機能の維持に欠かせないビタミンです。
ビタミンAが不足すると暗闇で物が見えにくくなります。また免疫機能の低下や粘膜の乾燥から、感染症にかかりやすくなります。
カロテノイド、β-カロテンとは?

カロテノイドやβカロテンという言葉がビタミンAと同じ意味のように使われてるのを見たことがある人もいると思います。そちらについても説明しましょう。
緑黄色野菜や果物等の植物性食品に含まれる赤や黄色などの色素をカロテノイドと言います。カロテノイドは、β-カロテン、リコペン(リコピン)、クリプトキサンチンなどの総称で、抗酸化作用があることから、生活習慣病の予防にも役立ち、免疫機能も高まります。
カロテノイドの中には体内に取り込まれるとビタミンAに変換されて作用する成分もあり、プロビタミンAと呼ばれます。そして、プロビタミンAの中で最も変換効率が良いのが、βカロテンなのです。
カロテノイドやβカロテンはビタミンAではないこと、でも同じ意味で使われている理由がおわかりいただけたでしょうか。
ビタミンAの摂り方

では、ビタミンAについて具体的に見ていきましょう。
ビタミンAの必要量
まずは必要量ですが、以下のように定められています。
- 成人男性 850~900μgRAE/日
- 成人女性 650~700μgRAE/日
※μgRAE(レチノール活性当量)はビタミンAの基準値を表す単位
平成30年の国民健康・栄養調査の結果によると、男女とも20~30代はビタミンAの摂取量が少ない傾向にあります。あまりに不足して欠乏症になると、夜盲症や成長阻害などの症状が出ることがあるので、意識して摂りましょう。
ビタミンA摂取時の注意点
しかし、たくさん摂ればいいというものではありません。ビタミンCなどの水溶性ビタミンは摂りすぎても尿として排出されるのですが、脂溶性ビタミンであるビタミンAは体内に蓄積されてしまうのです。通常の食事であれば過剰症の心配はありませんが、サプリメントやレバーの大量摂取は控えましょう。
ビタミンA、βカロテンを豊富に含む食品
ビタミンAとβカロテンを含む食品について、1食あたりの目安量を記しておきます。参考にしてください。
ビタミンA
- 豚レバー 50g
- 鶏レバー 40g
- アンコウ肝 50g
- ウナギ 100g
- ホタルイカ 40g
- 銀ダラ 80g
β-カロテン
- ほうれん草 70g
- 小松菜 80g
- ニンジン 50g
- カボチャ 120g
- 豆苗 40g
- 春菊 70g
<参考>
厚生労働省 日本人の食事摂取基準2020
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf
国民健康・栄養調査平成30年(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000635990.pdf
レバーのごま焼き

では、ビタミンAを美味しく効率的に摂れるレシピをご紹介しましょう。今回はクセの少ない鶏レバーを使いました。ごまの風味と食感で、鶏レバーがより食べやすくなっています。
材料(2人分)

- 鶏レバー 100g
- しょうが 1/6片
- 酒 大さじ2
- 砂糖 大さじ1
- 醤油 大さじ1.5
- 白いりごま 大さじ2~3
- サラダ菜 4枚
- サラダ油 適量
手順
1鶏レバーを食べやすいサイズに切る。
2しょうがをすりおろす。
3ボウルに鶏レバー・しょうが・酒を加えて15分程おき、臭みをとる。

4汁気を切り、砂糖・醤油を加えて味をつける。
5ボウルに白いりごまを加え、全体を混ぜ合わせる。

6フライパンにサラダ油をひいて5を並べ、中火で両面を焼く。

7お皿にサラダ菜をしき、盛り付ける。