管理栄養士で雑穀ご飯と具沢山みそ汁で腸からきれいにする活動をしている神田由佳です。私は、2万人の方々の食事アドバイスをしてきました。
健康や美容への興味が高まり、栄養面を意識される方が増えてきています。
今回は私たちの体の機能を調整する「ビタミン」についてお伝えします。そして効率的にビタミンを摂れるレシピをご紹介していきます。
目次
ビタミンとは?
ビタミンは炭水化物・たんぱく質・脂質と異なり、エネルギー源や体を作る構成素ではありません。ただしビタミンは、これらの栄養素がエネルギー源や構成素として働くために欠かせないものです。
またビタミンは体内では作られないため、食品から取り入れる必要がある栄養素です。そのため不足すると欠乏症を引き起こすこともありますが、いろいろな食品を万遍なく食べていればまず大丈夫です。
ビタミンの分類
ビタミンは油脂に溶けやすい「脂溶性ビタミン」と水に溶けやすい「水溶性ビタミン」の2つに分類されます。
脂溶性ビタミン
脂溶性ビタミンは、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンK、ビタミンEの4種類です。
油脂に溶けやすいため、主に肝臓や脂肪組織に蓄積されます。食事の油と一緒に摂取することで、効率よく体内に吸収されることも特徴です。
ただし、一度に多量摂取すると、過剰症を引き起こすことがあります。サプリメントや栄養ドリンク、栄養機能食品などを利用する際は、同じ栄養素が重複していないか確認して摂取する必要があります。
逆に低脂肪食を長期間続けていると、脂溶性ビタミンの吸収が阻害されることもあります。やはり大切なのは、バランスだということです。
水溶性ビタミン
水に溶ける水溶性ビタミンは、ビタミンB群とビタミンCです。
ビタミンB群は、ビタミンB1・ビタミンB2・ビタミンB6・ビタミンB12・葉酸・ナイアシン・ビオチン・パントテン酸の8種類です。
水溶性ビタミンは主に代謝に必要な酵素の働きを助ける補酵素として働き、摂りすぎても余分なものは尿として一緒に排泄されます。熱や光に弱く、調理や保存方法によって壊れやすいのも特徴なので、水溶性ビタミンを含む食品をたくさん食べていれば不足しないというわけでもないのです。
ビタミンを豊富に含む食材
それぞれのビタミンを豊富に含む主な食材をご紹介しておきます。
ただし、さきほどもお伝えしたように調理法や保存法により吸収率が変わってしまうことは意識しておいてください。
ビタミン | 代表的な食材 |
ビタミンA | レバー、うなぎ、卵黄、緑黄色野菜 |
ビタミンD | 干ししいたけ、魚類 |
ビタミンK | 納豆、緑黄色野菜、穀物胚芽 |
ビタミンE | かぼちゃ、アーモンド、植物油 |
ビタミンB1 | 豚肉、玄米、大豆 |
ビタミンB2 | 納豆、レバー、乳製品 |
ビタミンB6 | 肉類、卵、いわし、大豆 |
ビタミンB12 | 貝類、肉類、乳製品 |
葉酸 | 緑黄色野菜、豆類 |
ビタミンD | 肉類、魚類、卵、豆類 |
ビオチン | 肝臓、豆類、卵、乳製品、野菜類 |
パントテン酸 | 肉類、卵、豆類、魚介類 |
ビタミンC | キウイ、パプリカ |
ビタミンの必要量
ビタミンは体の機能を整えるために必要な栄養素ではありますが、偏って摂り過ぎると健康被害もあります。そのため「日本人の食事摂取基準2020」では、各ビタミンの摂取上限を設定しています。
とはいえ脂溶性ビタミンも水溶性ビタミンも、通常の食生活で過剰摂取になることはありません。特に水溶性ビタミンはさきほども説明したように余分な分は尿中に排泄されるため、毎日摂取しないとむしろ欠乏症になります。
脂溶性ビタミンも、ウナギやレバーを摂りすぎなければまず大丈夫でしょう。
ただし、最近ではサプリメントなどのビタミン強化食品や、ビタミン製剤からの多量摂取も考えられるので、食事摂取基準では、脂溶性・水溶性ともに耐容上限量を設定しています。
参照:厚生労働省 日本人の食事摂取基準2020(P149)
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf
パプリカのマリネ
パプリカは、ビタミンAに変換されるβカロテンやビタミンCを多く含んでいます。脂溶性ビタミンであるβカロテンは、油と一緒に料理すると吸収率がアップするため、亜麻仁油をプラスしました。
ビタミンCは熱に弱いので、加熱するよりも生食がおすすめです。
材料(1~2人分)
- 赤パプリカ 1/2個
- 黄パプリカ 1/2個
- レモン汁 大さじ3
- はちみつ 大さじ1
- 亜麻仁油 小さじ1
- パセリ 適量
手順
1赤パプリカと黄パプリカは縦に4等分してから、斜めに3等分に切る。
2密閉できる袋にパセリ以外の材料をすべて入れ、全体を混ぜ合わせる。
3味がなじむまで、冷蔵庫に30分~1時間おいておく。30分だと味がつき、シャキッとした食感です。1時間漬けると、味がしみ込み、食感も柔らかくなります。
4器に盛り付け、パセリを振る。