酸味、甘味、薫香…。ビールの味わいの多様性を知るための5本

酸味、甘味、薫香…。ビールの味わいの多様性を知るための5本

ビールは苦くて、金色で、ゴクゴク飲むもの。と思っていないだろうか?
最近、「クラフトビール」という言葉が市民権を得て、「何やらビールにも色々種類があるらしい」という人も増えてきた。そう、ビールは種類(ビアスタイルという)が豊富なのだ。その数、ざっと100以上。でも、実際には判別できないほどよく似たスタイルもある。
ここでは、「え?本当に全部同じビール?」と思ってしまうほど明らかに味わいが異なる5本をご紹介。ビールの奥深~い世界の入口に立っていただきたい!

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苦味がなくてバナナの香りがする「ヴァイツェン」

苦味がなくてバナナの香りがする「ヴァイツェン」。

最初におすすめしたいのが、「ビールは苦いもの」と思い込んでいる方に飲んでいただきたいヴァイツェン。国内外で造られている人気のスタイルだけど、発祥はドイツ南部のバイエルンなのでそこからチョイスした。

創業1040年で現存する世界最古の醸造所の誉れ高い「ヴァイエンステファン」のヘフヴァイスだ。

まず泡がモコモコするのが特徴。これは原料に小麦を使うために、たんぱく質が多いのが理由。濁りの理由は酵母を除去していないから。開栓するとバナナのようなフルーティな香りが漂う。

飲んでもほとんど苦味は感じられず、甘さとほんのりした酸味が感じられる。ドイツ発祥なのに醤油と同じ香りを含んでいるため、刺身や寿司と絶妙に合うのが面白い!

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鮮烈にホップが香る甘苦~い「IPA」

鮮烈にホップが香る甘苦~い「IPA」

苦味がないヴァイツェンの後は、とにかく苦~いIPA(アイピーエー)を。ビールの主原料のひとつ、ホップは苦味と香りを付与してくれる。

また、意外な特徴として防腐効果がある。この特徴を利用して、長い船旅に耐えられるようホップをたくさん投入したのがインディアペールエールなのだ。名前の通り、かつてインドを植民地にしていたイギリス発祥のビアスタイルなのだが、ホップの産地であるアメリカ西海岸で20世紀後半から大ブレイクした。

代表的なのがこちらサンディエゴの「STONE IPA」。

大量にホップを投入しているため、まあ苦い。が、一方で麦芽由来の甘みも強いため“甘苦い”。STONE IPAのようにホップ由来の柑橘系の香りが強いIPAの場合、レモンをかけると美味しいステーキ、唐揚げなどの肉料理と抜群に合う!

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燻製香がありスモーク料理と合う「ラオホ」

燻製香がありスモーク料理と合う「ラオホ」

続いて、超個性的な1本をご紹介。ドイツはバンベルク発祥のラオホである。開栓したらきっとすぐわかるように、とってもスモーキーなのが特徴。これは主原料の麦芽をスモークするから。乾燥させたブナの木を1日かけてじっくり燻製にし、香りを付ける。

ラオホという言葉は「煙」という意味だ。本場バンベルクでは複数の醸造所が手掛けているが、日本で入手しやすいものとなると、この「ヘラー醸造所」の「シュレンケルラ・ラオホ ビア メルツェン」一択となろう。

人によっては「正露丸のよう」と表現するほどの強烈な香りと味わいをぜひ体感していただきたい。

飲み口は意外にもスッキリしていて飲みやすいが、苦手な人は一切受け付けない。燻製したベーコンやソーセージなどとぴったり合うので、燻製好きにはたまらないはず。

酸っぱくて強烈なインパクトの「ランビック」

酸っぱくて強烈なインパクトの「ランビック」

ラオホと並んで“なんじゃこりゃ”なビールと言えるのが、ベルギー発祥のランビック。

普通、ビールは純粋培養した酵母を使って発酵させる。かつてビール職人にとって最大の悩みは、意図せぬ微生物の混入によってビールが酸敗することだった。科学の力で人間はビールの酸敗に別れを告げた…かに思えたが、ランビックは今なお空中に浮遊する野生酵母に発酵を任せるため非常に酸っぱい。

「ブーン醸造所」の「ブーン・グーズ」は若いランビックと熟成ランビックを混ぜて、さらに瓶内熟成させた逸品。

食前酒として最高なので、魚介系の前菜と合わせるのが吉。ドライなのでバター系のこってり料理とも好相性。チーズともよく合うので、ぜひチーズ料理のお供に!

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チビチビ飲んで余韻に浸れる「スタウト」

チビチビ飲んで余韻に浸れる「スタウト」

最後に紹介するのが黒ビールの代表格、スタウト。一口にスタウトと言っても液色が黒いことだけが共通していて甘いもの、苦いもの、酸味のあるもの、スッキリしたもの…と味わいは千差万別。

数あるスタウトの中からおすすめなのが、スリランカで造っている「ライオンスタウト」である。

これは度数が8.8%とかなりハイアルコールなのが特徴。冷やし過ぎるのは禁物で、むしろ常温でも問題ないほど。
味わいはリキュールのような甘さが際立つ。アルコールの辛みもあるが、意外とキレがいいのが不思議な1本だ。

これに関しては食事と合わせることを考えず、チビチビとグラスを傾けながら締めの1杯として堪能するのがおすすめ。優雅な余韻に浸れるだろう。

味わいが異なるから間違いなく盛り上がる。

まとめ

色々酒屋でビールを買ってはみたものの、どれも案外似たような味で面白くない……。ビールのことがわからない人同士でよくやりがちな失敗だ。

その点、ヴァイツェン、IPA、ラオホ、ランビック、スタウトの5つのビアスタイルを選べば、間違いなく味わいが違って場が盛り上がるに違いない。
最近はコンビニやスーパーなどでも様々なビアスタイルが買えるので、大切な人とビアパーティーをして楽しんでみてはいかが?

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