オリーブオイルの選び方と春のごちそう #世界のオイルを巡るレシピと油活のススメ

オリーブオイルの選び方と春のごちそう #世界のオイルを巡るレシピと油活のススメ

今まで油全般の種類や基本的な使い方についてお伝えして来ました。
今回はオリーブオイルを取り上げてみたいと思います。

オリーブオイルは、ビッグテーマです。油の中で最も華やか、大人気ジャンルと言えます。
歴史も種類も効能もレシピも語るべきことは膨大。

さて、何に絞るべきか。

油屋としては、油全体から見たオリーブオイルの位置づけについて。
そしてオリーブオイルラバーとしては、オリーブオイルの楽しみ方についてお話ししてみたいと思います。

そら豆ペーストのクロスティーニのレシピはこちら

新玉ねぎのスープのレシピはこちら

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オリーブオイルが他のオイルと違うわけ

古代から現代に至るまで多くの人を魅了するオリーブオイル。他のオイルとの違いはなんでしょうか?
ここでは大きな2つの理由をご説明していきます。

オリーブオイルの原料は種ではなく果肉

オリーブの果実
オリーブの果実(画像出典)PIXTA

そう、意外と意識されていないのですが基本的に油は種からとるものがほとんど。胡麻(ごま)油もなたね油も種子、またアーモンドなどのナッツ系のオイルも果肉内の核や仁(種の中の部分)が原料です。種は硬い皮に覆われ、乾燥すれば保存も可能。

一方、オリーブオイルは採れたてのフレッシュなオリーブの果肉を搾ってとります。種を押し潰すのと、果肉を搾るのとは全く違いますよね?もうこれだけで、オリーブオイルは油の中では特殊ジャンルということがお分かりいただけると思います。

ちなみに他に果肉から搾ってとる油は、アボカドとパームがあります。果肉はすぐに傷みます。ですので、原料の鮮度と取り扱いが重要になってくるのです。
これがあらゆるオイルの中で、一番厳しい規格を有する理由です。化学分析と鑑定士チームによる官能検査を経て認証される最上規格の“エキストラバージン”オリーブオイルを選びましょう。

品種の多様性とブレンドの妙

オリーブの木
オリーブの木(画像出典)PIXTA

紀元前3000年代にはエジプトやその周辺で栽培されていたオリーブは、胡麻と並び世界最古のオイル原料と言えます。今もなお実をつける樹齢1000年を超える木もあるんですよ。その品種数は栽培されているだけでなんと1,300種以上、同じ品種でも育つ土壌や環境が違えばその土地に根付いた特色のあるものになります。日本も段々産地が増えてきました。

単一品種でストレートに味わったり、職人のブレンド技術により最高のものを生み出したりと、独自の終わりなき世界はワインの世界に似ています。ただ残念ながら、オイルは何年寝かせても熟成はできません。

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オリーブオイルの楽しみ方

オリーブオイルの楽しみ方
小豆島オリーブ園(画像出典)PIXTA

日本は、オリーブオイルをたくさん輸入しています。スーパーや輸入雑貨店、デパートにも様々な種類のオリーブオイルが販売されていますね。どうやって選びましょうか。

旅するように選ぶ1本

オリーブオイルとの出会いは一期一会、まさに旅することに似ています。残念ながら全て味見をして買えるわけではありませんよね。だったらまずは見た目、そして書かれている情報から好みのタイプを判断しなければなりません。一目惚れもありですよ。うっとりするようなボトルやラベルデザインから手に取ってみてもOKです。

それがどこから来たのか、産地情報や様々なマーク、品種や味わいについての説明も読んでみましょう。想いを馳せ、試してみたい!と思うものをお求めください。品質は国や地域や品種で左右されるものではなく、その1本次第なのです。またその1本が状態も味わいも最高なものだったとしても、来年のものが同じとは限らないのです。

自分のベストマリアージュを探して

例えば毎日着ても飽きない、着心地の良いベーシックな服がありますよね。そこに差し色のマフラーや、パンチのあるデザインのバッグ、質感の違う手袋など季節小物をあわせると何通りもの着こなしができる。
オリーブオイルも同様にデイリーユースで何にでも使えるタイプを1本。そしてちょっと個性のあるものをスパイスのように使ってみてはいかがでしょうか?

そしていろいろ試してみてください。自分にとって最高の組み合わせが見つかると、とっても楽しい!

例えば「グリーンサラダには絶対これ」とか「昆布の佃煮と一緒にご飯に回しかけて混ぜると最高なナッツのような風味のオリーブオイル」とか、「ラム肉を焼いたらスパイス代わりに絶対かけるパンチありなオリーブオイル」、「トマトとバジルで煮込んだ白いんげん豆に絶対合う青トマトの香りがするオリーブオイル」、「シリアルブレッドを焼いて、クリームチーズとオレンジを乗せたところにかける爽やかなオリーブオイル」など。

貴方の嗅覚と舌、喉を使ってオリーブオイルを自由に堪能してください。

オリーブオイル2種を使い分け

オリーブオイルは脂肪酸で見るとオレイン酸が75%前後と多く、比較的加熱調理にも強い油です。またクロロフィルやオレオカンタールをはじめとする独自の微量成分が有用とされ、今も日々研究の成果が発表されています。

オリーブオイルは軽めから重めまで順番に、デリケート、ミディアム、インテンスと言った区分けもされるので参考にして別のタイプを買ってみるのもいいですよ。

オリーブオイル2種を使ったレシピ

今日は2種類のオリーブオイルをそれぞれ使ったお料理を紹介します。

カシータス・デ・ウアルド EXVオリーブ油

まず左の可愛らしいイラストのボトルはスペイン、トレド、ウアルド農園のアルベキーナとマンサニージャ種ブレンドのもの。子供たちに本物のオリーブオイルの味をというコンセプトで作られた食育オイルです。子供向きで優しいかと思いきや侮れない濃さで、ミディアムからやや重めといった位置づけ、フルーティーな香りとポリフェノールを感じさせる心地よい辛味もあります。
お料理では旨みの強いそら豆ペーストにあわせ、仕上げにも使いました。

商品リンク:https://www.abura-ya.jp/SHOP/OV_o002.html

スエルテアルタ 有機オリーブ油 クパージュ

右はこちらもスペインでしたが、アンダルシア州コルドバのスエルテアルタ農園よりピクアル、ピクード、オヒブランカ種の3種ブレンド有機オイルです。こちらは華やかな香りとパンチのあるインテンスタイプ。胡椒のようなスパイス代わりにも使えます。
こちらは甘い新玉ねぎのスープのアクセントとしてスパイスオイルにしてみました。

商品リンク:https://www.abura-ya.jp/SHOP/OV_m002.html

オリーブオイル2種を使ったレシピ

どちらもシンプルなレシピですが、季節になると必ず作る定番メニュー。素晴らしいオリーブオイルがあるとぐっと美味しさが引き立ちます。

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